説明
「五部心観」の一四一番の最後の瞑想は、ヴァジュラ サットヴァ（金剛サッタ）になると言うところで終わっています。
「五部心観」のプロセスの目標は、私たちが、人生を、ヴァジュラ サットヴァとして体験できるようになるために必要な技能を伸ばし、それを自己の意識に保つことにありました。五部心観は、実に数々の新しい技能を私たちに教えてくれました。その技能とは次の通りです。
1. 自己をパドマ サットヴァ（蓮華の存在）として体験する
パドマ サットヴァとは、mama（無限なる自己）とmaṇi（無限なるマインド）の波動を備える存在です。私たちは、リアルではない無知と幻想の世界に生きる、ピュアな存在です。誰しも、人や場所、物や想いに対して無数の執着を持っていますが、その執着は、「自己」ではありません。五部心観では、パドマの波動を深く探ることによって、その執着の束縛を超えていきます。
2. チャンドラ カヤ（月の身）とアディティヤ カヤ（太陽の身）を新たな感覚器官のボディとして体験する
チャンドラ カヤとアディティヤ カヤとは、悉曇の波動として見ると極めて明らかですが、エネルギーを感じ取り、それを放つためのボディです。チャンドラ カヤは、新たな広がりで体験する能力を、アディティヤ カヤは、新たな広がりで自己を表現する能力を、与えてくれました。ここで言う「自己を表現する」とは、サマヤのレベルから行動をとること(karma)を意味しています。
3. チャンドラ チャクラ（月輪）とアディティヤ チャクラ（日輪）を通じて、エネルギーを放つ（トランスミッションする）新たなボディを体験する
チャンドラ チャクラ（月輪）とアディティヤ チャクラ（日輪）は、悉曇の波動として見ると極めて明らかですが、私たちが、エネルギーのどの部分を感じたいのか、それをどこに放つのかを、明確に方向付けてくれます。
この技能は、進化的な成長をもたらす車輪を回転させるために、チャンドラ チャクラを使って、どのような体験をしたいのか、アディティヤ チャクラを通じて、何を表現したいのかを、今までには視野に入っていなかった新たな広がりから、決定できる能力を与えてくれています。
言い替えると、チャンドラ チャクラは、自己と他者を変容させる最も高次の波動のみを感じ取ることを、そして、アディティヤ チャクラは、自己と他者を変容させる最も高次の波動だけを放つことを、可能にしました。
4. わたしたちの生命力が、本来の本質の大海から来ていることを理解する
最も目覚ましい技能の一つは、ダルマの大海にアクセスし、いかなる生命力でも、その共鳴を通して引き出すことができることです。
5. サマヤと、サマヤを超えた本質を体験する
ダルマの大海の一部であるヴァジュラの世界から、すべてが来ていますが、その本質の大海から、自己を引き上げるものとは何かを体験しました。ダルマの大海は、ノンデュアリティ（二極を超えた世界）であり、そこから引き出した私たちの本質も、またノンデュアリティを基盤としています。それは、ここで体験される自己の本質が、全てと一つであることを意味しています。
6. 各仏と共にアドヴァヤを体験し、アドヴァヤすらも超えたピュアな波動(vac)へと進む
アドヴァヤは、不二（二つにあらず）に成らせてくれます。このノンデュアリティを通して、各仏の身体、言葉、マインド（身口意）を体験しました。
7. 四つの集まりを通じて、四部の仏の一つひとつの層を体験する
ヴァジュラ サットヴァ（金剛サッタ）になる前の、最後のステップでは、これまでの全要素を、四つの手印を使って、私たちの身体にしっかりと封じ込める作業を行いました。 これらは、いずれも極めて深遠な技能です。
◇ 次のステップ、それはヴァジュラサットヴァとして生きることです！
さあ、次のステップは、これらの技能をマスターし、次のレベルや、それすらも超えたレベルへと進むことです。
ヴァジュラ サットヴァは、五部心観を超えた次のステップへの序章であり、実は、三世（さんぜ、降三世明王）を、マスターするための移行期です。
近い将来、この五部心観を超えた、次の三会についての長期セミナーを開催する予定です。
「次の三会」とは、金剛界曼荼羅において、三世を（過去、現在、未来）をマスターするために設けられている部分です。
＜セミナー受講者からのご感想＞
・「金剛薩埵として生きる」セミナーでは、まずもうこの地上に戻って来なくてもいいという状態になるというベースに達するための、あらゆる浄化を体験しました。それは、そのエネルギーや波動や光や意識を体験することでしか、その様子を垣間見ることが出来ないという、貴重な体験でした。もう生まれ変わらなくてもいい状態になったらどんな感覚を得るのかを、このセミナーは体験させてくれました。その際に、金剛薩埵の貴重な御真言も教えていただきました。今世で人としての人生を終えて次のレベルに進みたい人にとって、何度も生まれ変わっても得ることの出来ないかもしれない、千載一遇のチャンスだと思います。多分こういうことは、こういう学び方でしか自分のものには出来ないのだと実感しました。
・セミナーに参加することで、なかなか拭いされなかった、分離、執着、幻想が取れた気がします。どうしても許せず、理解できない人に対して、慈悲の心が出ました。ある人に対して、私は我慢し犠牲にならなければいけないのかと感じており、納得できないまま、もう今世ではこの問題は解消できないかと弱気になっていました。今回のセミナーで、そのようなことをしなくてもよく、ありのままの自分でいいと納得できました。スタートラインに立った新しい気持ちになりました。
・このセミナーは私にとってこれまで受けてきたどのセミナーよりもインパクトがあり、変容をもたらすものになりました。ヴァジュラサットヴァとそのご真言により、様々なカルマを浄化したその翌朝の瞑想では、全てが私であるというスペースに入り、その後、今世の地球、家族のもとへ自らの意思で生まれたこと、そして今世生まれてきた目的の一部を思い出しました。この目的が達成出来たら完了という感覚もありました。また、私の中心に確固たる核のようなものが生まれたのも感じました。ようやく金剛薩埵として生きるための準備が出来始めたのかもしれません。その後の日常の変化には驚くことばかりです。家族や会社に対して感情的に引っかかるものがなくなり、心がとても静かで平安なのです。また私の中心に深い安堵感があるのです。自分自身でいることにこんなに安心していられるのは初めての経験で、とても自由で気持ちの良い感覚です。この今の自分からどのように現実が構築出来るのか、これからがとても楽しみです。こんなに素晴らしい体験をさせていただいたこのセミナーに参加させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
