説明
ボロブドゥールは、世界で最大の仏教建造物で、弘法大師空海の時代に、空海の師である恵果和尚の別の弟子の一人によってデザインされたと見なされています。
ボロブドゥールは、仏教の宇宙観を、雄大かつ実体のあるものとして理解できるような形で、顕しています。宇宙がどのように発達し進化してきたのかを、壮大なスケールで体験させてくれます。
この石の建造物には、古代の経典や逸話が刻まれています。そこには、方広大荘厳経、マノハラ物語、アヴァダー ナ、ジャータカ・マーラー、ジャータカ、入法界品なども含まれています。
ボロブドゥールは、華厳経（けごんぎょう）で体験される、法界（ダルマダトゥ）を顕しています。それは、金剛界と胎蔵の大日如来を一つに融合することで体験されるアドヴァ（不二）の世界から見た、初期仏教の宇宙観の全容なのです。
金剛界と胎蔵の大日如来とは、形として現れた世界と、まだ現れていない世界を指していますが、ボロブドゥールの頂点にある石像は、その融合を顕しています。
また、それは、北半球から見える星座と南半球の星座の統合でもあります。
そして、そこに刻まれた仏像やレリーフは、願望の世界・形の世界・形のない世界という、天上の世界である二十八天すべての世界やそのエネルギーについての洞察を与えてくれるでしょう。
